日別アーカイブ: 2020年10月29日

「問題の原因を手放す」

エサウさんとの再会を果たし、これでやっと心を落ち着けて暮らしていけると思ったヤコブさんでしたが、またしても頭を抱える出来事が起こってしまいました。

ヤコブさんは沢山の子どもに恵まれていました。ある時、その中のディナという娘が、ヤコブさんたちが住むことになった土地に暮らしていた女性たちに会うために出かけて行きました。

そこでトラブルが起こりました。「その土地の首長であるレビ人ハモルの息子シケムが彼女を見かけて捕らえ、共に寝て辱めた。」(聖書 創世記34:2 新共同訳)

そして、シケムはディナを愛する故にヤコブさん家族のもとに結婚の許可を申し出ました。

この出来事に激怒したのはヤコブさんの息子たちでした。自分の妹になんてことをしてくれたんだ。そんな思いから、兄弟の中の二人がとんでもない行動に出てしまいました。

「ヤコブの二人の息子、つまりディナの兄のシメオンとレビは、めいめい剣を取って難なく町に入り、男たちをことごとく殺した。ハモルと息子シケムも剣にかけて殺し、シケムの家からディナを連れ出した。」(聖書 創世記34:25∼26 新共同訳)

その後、町中のものを略奪し、財産や家畜、更には女性や子どもまでも捕虜として連れて行ってしまいました。

確かに、シケムが自分の妹にしたことに激怒するのはわかります。しかし、その出来事に対する倍返しをしたことによってとんでもない惨劇が行われてしまいました。

この問題が起こった原因に目を向けると、大切なことが見えてきます。ディナは神様を礼拝する家族のもとを出て、偶像礼拝を行う町の女性たちの所へ向かいました。

更に、この倍返しを行ったヤコブさんの家の中にも神様から目をそらす偶像の神々が入り込んできていました。

安全な道を外れて行く時、そこには危険が伴います。また、自分のところに危険なものを持ち込む時、その影響は中から広がります。それは、私たちの心に倍返し以上の憎しみや憎悪を起こすこともあります。

神様が望まれる道へ戻るため、また、神様が望まれないものを手放すため、ヤコブさんはこのように言いました。

「お前たちが身に着けている外国の神々を取り去り、身を清めて衣服を着替えなさい。」(聖書 創世記35:2 新共同訳)