日別アーカイブ: 2020年12月17日

「着物についた血」

兄たちの憎しみの結果、命を狙われることになってしまったヨセフさんでしたが、長男ルベンの憐みの心によって何とか命拾いすることができました。

しかし、穴に投げ入れられた後、通りかかった奴隷商人へと売られることになってしまいました。

「ところが、その間にミディアン人の商人たちが通りかかって、ヨセフを穴から引き上げ、銀二十枚でイシュマエル人に売ったので、彼らはヨセフをエジプトに連れて行ってしまった。」(聖書 創世記37:28 新共同訳)

この出来事は、後でこっそり穴から助け出そうとしていたルベンさんにとっては大きな誤算でした。

ヨセフの事を愛していた父親に対してどう説明したらよいのか。そんな思いでいっぱいだったことと思います。それは他の兄弟たちも同じことでした。まさかヨセフを奴隷商人に売り飛ばしたなんて口が裂けても言うことはできません。

しかし、兄弟たちには計画がありました。それは、ヨセフがあたかも不慮の事故にあったかのように見せかける偽装工作をするということでした。さっそく作戦を実行に移しました。

「兄弟たちはヨセフの着物を拾い上げ、雄山羊を殺してその血に着物を浸した。」(聖書 創世記37:31 新共同訳)

そして、この着物を使いの者に託し父の所へと送り届けさせることで、自分たちは問題に関わらずに事を済ませることにしたのでした。

本当ならば、兄たちの憎しみのためにヨセフさんは血を流して命を落としていたかもしれませんでした。しかし、この時、ヨセフさんの代わりに動物が血を流して命を落とすこととなりました。

イエス様も私たちを生かすために十字架で血を流し、命を捨ててくださいました。私たちはその犠牲によって新しい命を頂くことができました。