日別アーカイブ: 2020年7月2日

「心が騒ぐ時」

父イサクさんの後を継ぐことになっていた長男のエサウさんは、2人の奥さんとの結婚を通して両親の悩みの種となっていきました。

しかし、長男がどのような状況になっていたとしても、父イサクさんは長子の特権をエサウさんに渡すことを自分の大事な使命として持っていました。

さて、いよいよその時がやってきました。父イサクさんは長男エサウを呼び、このように告げました。

「『こんなに年をとったので、わたしはいつ死ぬか分からない。今すぐに、弓と矢筒など、狩りの道具を持って野に行き、獲物を取って来て、わたしの好きなおいしい料理を作り、ここへ持って来てほしい。死ぬ前にそれを食べて、わたし自身の祝福をお前に与えたい。』」(聖書 創世記27:2∼4 新共同訳)

今から狩りに行き、獲物を取ってきて料理を作って私の所へ持ってきなさい。これをもって、正式に父イサクさんの持つ祝福が長男エサウさんのもとへ受け継がれることになるのでした。

しかし、そのやり取りを聞いていた母リベカさんはどうしても納得することができません。そこで、弟ヤコブさんを呼びこのように言いました。

「家畜の群れのところへ行って、よく肥えた子山羊を二匹取って来なさい。わたしが、それでお父さんの好きなおいしい料理を作りますから、それをお父さんのところへ持って行きなさい。お父さんは召しあがって、亡くなる前にお前を祝福してくださるでしょう。」(聖書 創世記27:9∼10 新共同訳)

兄エサウさんが狩りをして戻ってくる前に、先に料理を持って行き、祝福をもらうという作戦でした。

神様からの約束があり、それを信じていつつも、今まさに弟ではなく悩みの種である兄がその祝福を得ようとしているのを知り、何とかして自分たちでそれを阻止しようと慌てて動き始めたのでした。

神様は必ず約束を守る方です。それを信じて委ねるということが大切です。しかし、そうだとわかりつつも、どうしても慌てたり焦ったりしてしまうことがあります。