日別アーカイブ: 2020年10月1日

「神様が言ったから」

家族の協力のもと、ラバンさんの留守を見計らって故郷へ向けて脱出したヤコブさんでしたが、さすがにそこまでの大所帯がいきなり家から消えていたらラバンさんが気づかないはずがありません。

ラバンさんがそのことに気が付いたのは、ヤコブさんが脱走して三日目のことでした。

自分の財産を増やしてくれる働き者のヤコブさんが、自分の目を盗んで逃げだして行ってしまった。更には、自分の娘や孫たちに別れを告げることもさせてくれなかった。そんな怒りか

ら、ラバンさんの追跡が始まります。

きっと、ラバンさんが従えて行った人たちの人数からして、ヤコブさんたちに勝ち目はありません。捕らえられて連れ戻されてもおかしくありませんでした。

さて、ラバンさんは追跡の結果、山の上にいるヤコブさんたちを見つけました。そして、ヤコブさんに詰め寄ります。ヤコブさんたちにとっては、「また連れ戻されてしまうのでは」という絶体絶命の状況でした。

しかし、色々と言われたあとに、ラバンさんの口から驚きの言葉が語られました。

「わたしはお前たちをひどい目に遭わせることもできるが、夕べ、お前たちの父の神が、『ヤコブを一切非難せぬよう、よく心に留めておきなさい』とわたしにお告げになった。」(聖書 創世記31:29 新共同訳)

ヤコブさんに対して「故郷に帰りなさい」と言ったのは神様でした。その神様は、ヤコブさんを守るためにラバンさんの所に来てこのように忠告をされました。

「ヤコブを一切非難せぬよう、よく心に留めておきなさい。」(聖書 創世記31:24 新共同訳)

神様が「行きなさい」と言われる時、しっかりとその道を備えてくださいます。「わたしが共にいる」と言われる神様に従う時に、それを実感することができるんだということをヤコブさんの経験を通して教えてくれています。