日別アーカイブ: 2021年3月5日

「神様からの知恵」

夢の解き明かしと共に、その夢が現実となった時にどのように対処したらよいかという解決策まで示されたファラオには、1つの課題がありました。

それは、解決策の中で示されたように、7年間の飢饉に備えるために国を治める聡明で知恵のある人物を探すということでした。

もし、この夢が本当であれば、7年間の飢饉という迫り来る困難は命に係わることであり、エジプトという国の存続にも関わるような大事件です。

「そんなことが起こるはずがない」と言って、ヨセフさんを退けることもできたかもしれません。しかし、ファラオはその解き明かしを真剣に受け取りました。

自分の国を誰に託したらよいだろうか。本当に大きな課題であったことと思います。しかし、一連の出来事にしっかりと向き合ったファラオの目の前には、もう既に国を治めるのに最適な人物が用意されていました。

ヨセフの方を向いてファラオは言った。 「神がそういうことをみな示されたからには、お前ほど聡明で知恵のある者は、ほかにはいないであろう。(聖書 創世記 41:39 新共同訳)

ファラオは、自分の夢を解き明かし、更には解決策までを示したヨセフさんに声をかけました。ヨセフさんは、エジプト人からすると、外国から奴隷として売られて来てトラブルの結果ついさっきまで牢獄の中にいた得体の知れない人物でした。

しかし、ヨセフさんがどん底の牢獄の中にあっても、神様に従う者として誠実に生きてきたこと、そして、解き明かしの時のヨセフさんの人柄、それらがファラオの心を掴んで離さなかったのだと思います。

そして何よりも、それがヨセフさん自身のすごさではなく、「神様が示された」というものであったということが、ヨセフさんが選ばれたことの理由として語られていました。

神様からの知恵を求め、その知恵に生きていく時、私たちにとっては思いもよらない方向に進んでいくことがあるんだということを知ることができる出来事でした。

しかし、これは偶然ではなく、神様がしっかりとヨセフさんを導いておられたからこその出来事でした。