「祝福の与え主」

ヤコブさんは、伯父のラバンさんのもとで忠実に働きました。勿論、それはラケルさんと結婚するためでもありました。しかし、結婚した後もヤコブさんは忠実に働いていました。その結果、ヤコブさんは神様から大きく祝福されました。

また、ヤコブさんが祝福されることは、伯父のラバンさんにとっても嬉しいことでした。自分のもとで働いている人が祝福されれば、結果的にその祝福に与る事ができ

るからです。

ヤコブさんもそれは認めていました。「わたしが来るまではわずかだった家畜

が、今ではこんなに多くなっています。わたしが来てからは、主があなたを祝福しておられます。」(聖書 創世記30:30 新共同訳)

このことで一つの問題が起こりました。ある

日、ヤコブさんは言いました。

「わたしを独り立ちさせて、生まれ故郷へ帰らせてください。わたしは今まで、妻を得るためにあなたのところで働いてきたのですから、妻子と共に帰らせてください。あなたのために、わたしがどんなに尽くしてきたか、よくご存じのはずです。」(聖書 創世記30:25∼26 新共同訳)

しかし、祝福のもとと思っていたヤコブさんを失うことにためらいを覚えているラバンさんは、当然ヤコブさんを手放すことはしたくありません。そして、ここからヤコブさんとラバンさんの駆け引きが始まっていくことになります。

ヤコブさんの祝福は神様からのものでした。祝福されている人を抱え込むのではなく、祝福の与え主である神様に目を向けることはとても大切なことですね。