「目をそらさない」

イサクさんが神様の約束を信じ、エジプトに行かずに神様の命じた土地に寄留した時、神様はイサクさんを大きく祝福されました。

しかし、そこで問題が生じました。それは、イサクさんが寄留していた土地に住んでいた人たちからの妬みでした。

先住民からすると、外の土地から入って来て住み着いたかと思うと、財産がどんどん増えていったわけです。家畜やその世話をする僕たちなど、数が増えていくのを見た時、自分たちの土地を侵略するのではないかという心配が生まれてきたのかもしれません。

そこで彼らは、イサクさんたちが大切にしていた井戸をふさいで土で埋め始めました。そして、この土地から出て行ってほしいという通達までなされてしまいました。

その後、イサクさんは井戸のある場所を巡って渡り歩きました。井戸を掘りあてては、その場所で争いが起こる。そんなことをくり返しつつも、イサクさんは反抗して自分がそこに居座るのではなく、争いが起こると次の場所へと移って行きました。そして、ついに争いのない場所で井戸を掘ることができました。

「イサクは、その井戸をレホボト(広い場所)と名付け、「今や、主は我々の繁栄のために広い場所をお与えになった」と言った。」(聖書 創世記26:22 新共同訳)

せっかく繁栄し始めた場所を追われ、次の場所を見つけたかと思うと争いが起こる。そんな状況が続いたにもかかわらず、イサクさんの心は神様の約束から目をそらすことはありませんでした。

紆余曲折の中で、投げ出したくなることがあったかもしれません。しかし、今こうやって紆余曲折を通して辿り着いた場所は、神様が導いて与えてくださった場所なんだと強く確信して神様を礼拝したのでした。