「その道を歩む」

エサウとヤコブという2人の兄弟は、長子の特権のことで関係が悪化し、一時顔を合わせることもできない状態になっていました。しかし、神様の導きの中でもう一度顔を合わせ、一緒に暮らす日をむかえることができました。

父の死後、この兄弟はまた別々に暮らすこととなっていきます。しかし、今回は後ろめたいことが起こったからではありませんでした。

「彼らの所有物は一緒に住むにはあまりにも多く、滞在していた土地は彼らの家畜を養うには狭すぎたからである。」(聖書 創世記36:7 新共同訳)

長子の特権を一度の空腹から簡単に手放した兄、父を騙して長子の特権を手に入れた弟。どちらにも問題があったものの、神様はどちらも顧みてくださり両者共に一緒に暮らすことができないほどの財産を与えて祝福されました。

また、この2人の兄弟が別々の地で暮らすこととなったのは、もう一つの側面がありました。

ヤコブさんは、長子の特権において神様からの祝福という霊的な部分を求めていました。これは、アブラハムさん、イサクさんから継承して来た神様に対する信仰ゆえのことでした。

それに対して、エサウさんはそのような部分に対する興味よりも財産の贈与という世的な部分に興味を持っていたようです。結果的に、エサウさんの家系はアブラハムさんから続いてきた信仰ではなく、他の神々へと向いていってしまいました。

そのような信仰の違いから別々の場所で暮らすということが神様のみこころの中で行われていったのでした。

神様は、アブラハムさん、イサクさんを通してこの2人の兄弟にもその恵みを示し、信仰の道を歩むように備えてくださっていました。それを選ぶ弟、そうではない選びをした兄。それぞれの道を歩んで行きました。

その道は私たちにも備えられています。私たちがその道を歩む選びをするのを神様は願っておられます。