「今、行きなさい」

 モーセさんに語りかけた神様は、大切な使命を与えました。

主は言われた。「わたしは、エジプトにいるわたしの民の苦しみをつぶさに見、追い使う者のゆえに叫ぶ彼らの叫び声を聞き、その痛みを知った。 それゆえ、わたしは降って行き、エジプト人の手から彼らを救い出し、この国から、広々としたすばらしい土地、乳と蜜の流れる土地、カナン人、ヘト人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の住む所へ彼らを導き上る。 見よ、イスラエルの人々の叫び声が、今、わたしのもとに届いた。また、エジプト人が彼らを圧迫する有様を見た。 今、行きなさい。わたしはあなたをファラオのもとに遣わす。わが民イスラエルの人々をエジプトから連れ出すのだ。」

(聖書 出エジプト記 3:7-10 新共同訳)

 40年前、エジプトの地で若さと力、勢いをもって同胞を解放しようとしたモーセさんは、大きな失敗をしてこの地に逃げてきました。

 40年経った今、神様は年老いて力も弱り、勢いも失ったモーセさんに対して「今、行きなさい」と命じられました。

 モーセさんは理解に苦しみながら神様に問います。

モーセは神に言った。「わたしは何者でしょう。どうして、ファラオのもとに行き、しかもイスラエルの人々をエジプトから導き出さねばならないのですか。」

(聖書 出エジプト記 3:11 新共同訳)

 何故、自分が選ばれたのか。失敗したし、前科もある。何よりも自分はそんなことができる年齢でもない。「何故私が?」モーセさんはそんな気持ちだったことと思います。

 しかし、神様はこのように約束されました。

神は言われた。「わたしは必ずあなたと共にいる。このことこそ、わたしがあなたを遣わすしるしである。あなたが民をエジプトから導き出したとき、あなたたちはこの山で神に仕える。」

(聖書 出エジプト記 3:12 新共同訳)

行きなさいと言われる神様は、その御言葉に従い働く者と共にいてくださることを通して約束を果たされます。